【Vue 2】Vue.jsのはじめかた
Vue.js とは
Vue (発音は /vju:/、view と同様) は、ユーザーインターフェイスを構築するためのプログレッシブフレームワークです。他のモノリシックなフレームワークとは異なり、Vue は少しずつ適用していけるように設計されています。中核となるライブラリはビュー層だけに焦点を当てており、使い始めるのも、他のライブラリや既存のプロジェクトに統合することも容易です。一方で、Vue をモダンなツールやサポートライブラリ (opens new window)と組み合わせることで、洗練されたシングルページアプリケーションを開発することもできます。
参照: https://v3.ja.vuejs.org/guide/introduction.html
公式ドキュメントの文章にもあるように、近年ではシングルページアプリケーション(SPA)の需要が高まっているため、 これを簡潔に実装できるための Vue.js や React などはフロントエンド開発において必要不可欠なものになってきています。
SPA を実装する上で重要なことは、DOM 操作とデータの管理になります。 これらをただの JavaScript や JQuery などで実装するのは簡単なことではありません。
Vue.js では、SPA で重要な DOM 操作とデータの管理が簡単に実装ができます。 また「親しみやすい」、「融通が効く」、「高性能」と公式が謳っているくらい扱いやすいものとなっています。
Vue.js の導入
script による組み込み
導入方法の 1 つとして、script タグで Vue.js の js ファイルを組み込みます。
公式から js ファイルをダウンロードして読み込むか、CDN を介して読み込むかの 2 択があります。 js ファイルはこちらからダウンロードします。
以下は CDN の例です。 開発用と本番用はしっかり使い分けるようにしてください。 また、プロジェクトに導入する際はバージョンを指定するようにしましょう。
<!-- 開発用 -->
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/vue@2.6.12/dist/vue.js"></script>
<!-- 本番用 -->
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/vue@2.6.12"></script>
NPM
バッケージ管理システムである NPM を用いてインストールします。 大規模な開発を行う場合は、こちらが推奨されています。
$ npm install vue
実際のところ、大規模な開発を行う場合は、公式が提供している「Vue CLI」や Vue.js のフレームワークである「Nuxt.js」を使うことが多いと思います。
直接、上記のコマンドでインストールことは少ないでしょう。
学習する上ではまず script による組み込みをおすすめします。
devtools
Vue.js の開発において、ディベロッパーツールは必要不可欠になります。 Google Chrome と Firefox のアドオンとして提供されているのでインストールしておきましょう。
Google Chrome:Vue.js devtools
Firefox:Vue.js devtools
Vue 3 について
上記の導入はすべて Vue 2 についてです。
執筆時点では Vue 3 のベーター版(3.0.0-rc.5)が公開されています。 Vue 3 を使用したい場合はこちらを参考にしてください。 くれぐれもベータ版であることはお忘れのないように。
Vue インスタンスの生成
Vue.js を使用する上で、最初に Vue のインスタンスを生成する必要があります。
<div id="app">
<!-- -->
</div>
new Vue({
el: '#app'
})
これにより#app
の要素内では Vue.js が有効になります。
Vue 3 の場合は以下のようにインスタンスを生成します。
Vue.createApp({
}).mount('#app')
オプションオブジェクト
オプションオブジェクトは、Vue.js で管理するデータやメソッドなどを定義したもので、インスタンス生成時に引数として指定します。
オプションオブジェクトには以下のプロパティがあります。
el
el
は、どの要素に対して Vue インスタンスを紐づけるかを指定します。上記の例では#app
に紐づけています。
Vue 3 では不要です。
data
Vue インスタンスがもつデータを定義します。
new Vue({
el: '#app',
data: {
counter: 0,
message: 'Hello World!',
url: 'http://hogehoge.com'
}
})
Vue 3 では宣言方法が変わります。
Vue.createApp({
data() {
return {
counter: 0,
message: 'Hello World!',
url: 'https://hogehoge.com'
}
}
}).mount('#app')
methods
Vue インスタンスがもつ処理(メソッド)を定義します。 例えばクリックなどのイベント処理を定義したりします。
data
のアクセスには、this
が必要なことに注意してください。
data
だけでなく、methods
などの情報にアクセスする際もthis
が必要になります。
new Vue({
el: '#app',
data: {
counter: 0,
message: 'Hello World!',
url: 'https://hogehoge.com'
},
methods: {
count() {
this.counter++
}
}
})
computed
computed
は算出プロパティと呼ばれ、data
を使い別のデータを作るといったイメージです。
わかりにくいと思うので、まずは以下の例をみてください。
new Vue({
el: '#app',
data: {
counter: 0,
message: 'Hello World!',
url: 'https://hogehoge.com'
},
methods: {
count() {
this.counter++
},
doubleCount() {
this.doubleCounter += 2
}
},
computed: {
doubleCounter: {
get() {
return 2 * this.counter
},
set(val) {
this.counter = val / 2
}
},
upperMessage() {
return this.message.toUpperCase()
}
}
})
computed
はget()
とset()
によって定義します。
get()
はどのdata
を使ってどのような値を返すか、set()
はどのdata
にどのような値を設定するかを定義します。
doubleCounter
はcounter
の 2 倍の値を返すデータとなります。
またdoubleCounter
に値が代入された場合、半分の値をcounter
に設定するようにしています。
つまりdoubleCounter = 4
とすると、counter = 2
となります。
upperMessage
はmessage
をすべて大文字にした値を返すデータとなります。
このような記述をした場合は、get()
のみが定義されたことになるため読み取り専用のデータとなります。
methods と computed の違い
get()
の処理はmethods
でも定義できますが、原則computed
を使用します。
理由は、結果がキャッシュされるかどうかにあります。
例えばupperMessage
をmethods
に定義した場合、upperMessage()
と呼び出す度に内部の処理であるthis.message.toUpperCase()
が実行されます。
computed
の場合は、内部で使用しているmessage
の値が変わらない限り内部の処理は実行されません。
この違いがあるためcomputed
として定義できるものは極力こちらを使うことが推奨されています。
データバインディング
上記で作成した Vue インスタンスの情報を、HTML 内に展開していきます。
テキスト
シンプルなテキストとして展開する場合は、Mustache 構文({{}}
)を使用します。
<p>{{ message }}</p>
<p>{{ upperMessage }}</p>
属性
HTML の属性に展開する場合は、v-bind
を使用します。
v-bind
は:
と省略できます。
<!-- 省略なし -->
<a v-bind:href="url">My Page</a>
<!-- 省略あり -->
<a :href="url">My Page</a>
イベント
methods
をボタンなどのクリックイベントとして展開したい場合は、v-on
を使用します。
v-on
は@
と省略できます。
<!-- 省略なし -->
<button v-on:click="count">count</button>
<!-- 省略あり -->
<button @click="doubleCount">double count</button>
ディレクティブ
上記で説明したv-bind
やv-on
は、ディレクティブと呼ばれます。
Vue.js では、その他さまざまなディレクティブを使って HTML への展開を行っていきます。